顧客ファーストであり続けるために。SAFELYが挑んだ“バリューの再定義”

株式会社SAFELYは、創業から現在まで「誰しもが安全に暮らしに欠かせないサービスを利用できる世界を創りたい」という想いのもと、着実に事業を成長させてきました。
組織規模は社員20名を超え、創業メンバーが醸成してきた文化の中に新しい風が吹き込まれてきています。そうした変化の中で、これまで大切にしてきた価値観をあらためて言語化し、次の成長フェーズにふさわしい形へとアップデートする動きが始まりました。
本記事では、代表取締役の岡野 健二に、バリュー再定義の背景と、新バリューに込められた想いを伺いました。
※本記事の内容は2026年3月公開時点のものです。
組織成長とともに生まれたバリュー再定義の必然
──今回、SAFELYのバリューが再定義されましたね。岡野さんが「今」バリューを再定義する必要性を感じた背景を教えてください。
今回、バリューの再定義を決断した背景には、組織のフェーズの変化がありました。組織が20名未満だったころは、全員とコミュニケーションが密に取れており、言葉にしきらなくても、仕事に対する温度感や目指す姿勢が自然と共有されていた部分があったと思います。しかし、組織が20名を超え、組織階層の増加とコミュニケーションの変化によって、いわゆる「暗黙知」が通用しなくなってきたのです。日々の業務の中で「バリューの解釈にズレがあるのでは」と感じる場面も増えていきました。
──たとえば、従来のバリューではどのような解釈のズレがあったのでしょうか?
たとえば、従来の「Keep Growing(失敗をこわがらず、挑戦しよう)」では、挑戦すること自体が目的のように受け取られる場面がありました。本来は成果や学びにつながる挑戦が重要ですが、その意図が十分に伝わりきっていなかったと感じています。加えて、「Marketing is Diversity(多様性は戦略だ)」も解釈が分かれやすい傾向にありました。多様な意見の尊重は重要ですが、当然なんでもOKになるわけではありません。「お客様の価値観を理解する=相手の体験を最高の状態にする」という点にフォーカスしきれていないところがあったように思います。こういった解釈のズレを放置してしまうと、自己評価と会社からの評価に乖離を生む結果になりかねません。努力しているのに評価されないという状況をつくらないために、「何を評価するのか」という基準を明確にすることが急務だと感じていました。

△従来定義していた3つのバリュー
──現在、人事評価制度の刷新にも取り組んでいるそうですが、評価においてもバリューの見直しが欠かせなかったということですね。
おっしゃる通りです。評価制度を刷新するタイミングで、価値観の定義を曖昧なままにすることはできないと考えていました。組織が拡大していく中で、あらためて「誰を評価するのか」「どんな行動を称賛するのか」「何を昇格基準とするのか」を言語化しておくことは重要です。評価とバリューがしっかり接続していれば、目指す行動が自然と揃っていくはず。組織の基盤、いわばOSを整えることで、細かいコミュニケーションがなくても、成長し続けられる組織にしたいと考えています。
SAFELYがたどり着いた「思考→実行→学習」の型
──実際にバリューの再定義を行うにあたって、どのように議論を深めていったのでしょうか?
まずは、人事メンバーとパートナーとの壁打ち後、人事主導でマネージャー陣と「バリューについて考える場」を設けて、それぞれの価値観の共有をしました。そして、それらを取りまとめたものをもとに、私と人事メンバーでディスカッションを実施。5〜6回の議論を経て、バリューの表現を磨き上げていきました。

△マネージャーによる価値観の言語化
このプロセスの中で重要だったのは、やはり「すでに大事にしているが、明文化できていない価値観を言語化すること」でした。マネージャー陣の中では共有されている考え方でも、組織全体には十分伝わっていない部分がある。そこを明文化し、誰もが同じ基準で行動できる状態をつくることを意識しました。日々のフィードバックや現場の声も丁寧にすくい上げながら、今のSAFELYにとって本当に必要な価値観を議論しました。
──そうした議論を経て、新しいバリューでは「思考 → 実行 → 学習」という組織の成長サイクルそのものを表現することになったそうですね。
はい。議論を重ねる中で、私たちが最も大切にしている価値観は何かを掘り下げていくと、核にあるのは「徹底的な顧客ファースト」だという結論に至りました。ただ、顧客ファーストを本気で貫くには、きれいな言葉だけでは成立しません。本当に顧客のためになっているのかを深く考え抜くこと、考えたことを実行に移すこと、そして結果から学び続けること。この一連の循環が不可欠だと考えています。そこで、新しいバリューでは、「Experience First(思考)」「Drive Ownership(実行)」「Challenge, Connect(学習)」という形で、組織の成長サイクルを表すことにしたのです。

△「思考 → 実行 → 学習」を表現した3つの新バリュー
この好循環が回り続ける組織こそが、結果として強い組織になる。そうした考えは、ユーザー体験・事業成長・従業員体験が連動して高まっていくという、私たちの事業観とも重なっています。
新しいバリューから理想の行動基準を読み解く
──それぞれのバリューに込められた想いや、具体的に良いとされる行動の例なども深掘りしていきたいと思います。まずは、「Experience First」について教えてください。
思考のプロセスを表した「Experience First」には、私が社内で繰り返し伝えてきた「解像度を上げる」という考え方が強く込められています。解像度を上げるとは、「物事を構造で捉え、背景や数字の裏側まで考え抜き、曖昧な状態を放置しない」ということです。物事に着手する段階で、「背景(過去)」と「影響(未来)」を自分の言葉で説明できることや、具体的な活用シーンを想像したアウトプットを出せることが重要です。相手の体験を基準に、考え抜いて行動できているかがポイントになります。たとえば、マニュアル作成時に「人が迷い、不安に思うところはどこか」に思考を巡らせ、読み手が疑問に思うことは解消できているのか、といった視点を持つことを大事にしてほしいと思います。
──相手の立場に立って、物事を想像する力が求められるんですね。行動を表す「Drive Ownership」には、どのような想いが込められていますか?
ここには「最終的に状況を動かすのは自分である」という思想を反映しました。能力以上に、当事者意識を持って自ら動く姿勢が組織の力を高めると考えています。組織で働く中で「ボールが宙に浮いている」状態を目の当たりにすることがあるかもしれません。そんなときに、どうすれば良いのかわからなくても、適切に相談・共有することもオーナーシップの一つです。できない理由ではなく、常に「どうすればできるか」を考えて行動してほしいと考えています。「担当外」を理由にボールを落とさないように、必要な連携や承認を踏まえながら、自分ごととして物事を前に進める。それを全員ができる組織は強いと思っています。
──「Challenge, Connect」についてはいかがでしょう。従来のバリューでも「挑戦する姿勢」そのものは表現されていましたが、新たに追加された要素はありますか?
おっしゃる通り、これまでも挑戦そのものは非常に活発に行われてきました。一方で、挑戦した後の振り返りについては、まだ強化できる余地があったのも事実です。そこで「Challenge, Connect」では、挑戦の“その後”までを一連の価値として表現しました。やりっぱなしにせず振り返りとネクストアクションまで決めること、未経験の領域を壁ではなく成長の機会として捉えることを期待しています。せっかく挑戦の機会を得たとしても、その後の振り返りが甘ければ、同じ失敗を繰り返してしまったり、学びが個人の中で留まってしまったりする可能性があります。だからこそ、挑戦した後の「振り返り」と「次への接続」を強く意識しました。個人の学びを組織の資産へとつなげること。それが、「Connect」というワードにも込められています。
バリューを羅針盤に、SAFELYは次のステージへ

──これから新しいバリューをどのように活用していきますか?
新しいバリューは、単に指針として掲げるのではなく、評価制度と連動させることを想定しています。評価制度や等級定義、各ポジションのジョブディスクリプションはすべて今回のバリューを起点に構築しており、「どんな思考ができているか」「どんな姿勢で実行しているか」「どんな学習を組織に還元しているか」を体現しながら成果を出すことが、そのまま理想の行動につながる設計です。また、バリューの体現度はフェーズごとに明確に定義しています。昇格とはポジションの獲得ではなく、より高い次元でバリューを体現できている状態を指します。成果だけ、あるいは姿勢だけに偏らない評価を行うことで、長期的に活躍できる人材の成長を後押ししていきます。
──バリューが成長するための「羅針盤」の役割を果たすことになるんですね。
まさにその通りだと思います。これからSAFELYは、サービスの認知拡大や事業領域の広がりとともに、組織規模もさらに大きくなっていきます。水道領域に加え、生活全般でもしっかり価値提供できる状態をつくっていくことが、次のフェーズの重要なテーマです。組織が40名、100名と拡大していく中では、これまでのように直接のコミュニケーションだけで意思統一を図ることは難しくなっていくでしょう。だからこそ、全員が同じ方向を向いて進むための「羅針盤」として、今回のバリューが機能することを期待しています。
──バリューの再定義を通じて、あらためて感じた“SAFELYらしさ”を教えてください。
やはり「ユーザー体験を本気で良くしようとする姿勢」ですね。これから組織が大きくなろうとも、これだけは失わずにいたいと思っています。デジタルマーケティングの領域では、検索エンジンやAIの評価基準も大きく変化していますが、その根底にあるのは、ユーザーにとって本当に価値ある体験かどうかという視点だと感じています。私たちの原点は、困っている人を安心させること。規模が拡大し、仕組みや技術が高度化しても、最後に立ち返る問いは「それは本当にユーザーのためか」です。この問いを持ち続けられる組織であることこそ、SAFELYらしさだと考えています。
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